以心伝心? かなわない無言の催眠術師
やっぱり、従姉にはかないません。
部屋に入ってきて、椅子に腰けて、なんとなく視線を感じたから見てみると、じっと私のほうをみていました。
何だろうと思いながらも視線をはずし、ひと作業していましたが、やっぱりなんとなく視線を感じるので見てみると、やはり従姉は座って私の方を見ています。
また視線を外して見てみましたが、やはり私の方を見ていたので、
「なにか用?」と聞きましたが、黙っていて、黙して語らずです。
気になるので、「ねえ」と言いながらも従姉の方を見ました。
ふと従姉と視線があってしまい、その瞬間、ヘビに睨まれたカエルみたいな感じで、目がとろんとしてきて、従姉の瞳から視線を外せなくなってしまいました。
えええ、ウソッ!
ヤバイ、お願いだから視線はずしてよと従姉に対して思いましたが、従姉は視線を外してくれません。
もう完全に目はとろんとして、体はだるくて、頭はなんとなくぼんやりと雲がかかっているような感じになっています。
従姉が優しい笑顔で手招きをすると、私は、なぜか従姉の傍にむしょうに行きたくなって、体が勝手に従姉の方に歩いていってしまいます。
従姉の前までいくと、従姉はフィンガークラップで指をパチン!と鳴らすと、人差し指で、目の前にひざまづいて座りなさいというジェスチャーをしました。
そのとたん、私はスーッという感じで下半身の力が抜けて、その場で崩れ落ち、結果、従姉の前でペタンと座りこみ、顔を上げて、目だけはずっと見つめているような格好になってしまいました。
頭はボーっとして目もとろんとして、下半身はもうトロトロになったように力が入らないけど、スーッと崩れ堕ちると同時に、なんかすっごく従姉に対して素直な気持ちになっていって、従姉に対して、素直な気持ちでいることがとても気持ちよく感じるような、不思議な感覚になりました。
そして、従姉から目を離してはいけないという感じもありました。
部屋に入ってきて、この状態になるまで5分もかかっていないと思います。この間、従姉は、一言も発していないのに。
素直な気分というより、具体的にいうと、あなたのためなら何でもやりたい、あなたのために何かができることがとても幸せというような気分になっていました。
従姉は、クリアファイルを持って、パラパラみたいなものを踊るような格好をして、フィンガクラップをパチン!とすると、今まで力が入らなかった下半身が、なぜか力が入って、すっごく踊りたい気分になりました。
従姉からクリアファイルを奪い取ると、パラパラもどき(実際に踊ったことはないので、クリアファイルをセンス代わりに適当に)を踊ってしまい、それがすっごく楽しくて、いつまでも踊っていたい感じでした。
言葉なしでかかってしまいましたが、それでもいろいろとやってしまったのは不思議な感覚でした。何回かかけられているせいか、以心伝心というやつかもしれないです。
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2015.05.31 20:29